第一話 : 大草原の二人 ・ シーン5
「ぷはー!」 美紀は、しあわせそうに、水がたっぷり入った五〇〇ミリリットルのペットボトルをぐいぐいと飲み上げていた。その口元から少しほどこぼれ落ち、彼女の顎から首元をたどって胸元へたどり着いていた。その反動の息をふきあげた。その飲みっぷりは、誰が見ても、非常にうまそうに見えた。 「いやー、うまいねーきったかさん!」 単なるぬるい水ではあるが、彼女はその味わい深さを噛みしめ、紗央梨に同意を求めていた。紗央梨も、同じサイズの水がはいったペットボトルの水を両手に持ち、少しずつ味わいながら飲んでいた。 「ほうじゃ... 続きを読む