「Hey! Girls(ヘイ、ガールズ)!」  と、『CAA』作業員のおじさんがレッカー車の運転席ドアから呼んでいた。彼女らに、町まで一緒に行くんだろ?って、声をかけた。 「キャンウィーライドオンユアカー?(この車に乗ってもいいんですか?」  と、紗央梨に訊いた。彼は、もちろんと答えた。 「やったー!」  紗央梨と美紀は、お互いの両手のひらを叩きあい、小躍りしていた。  レッカー車はフロントノーズがあるピックアップトラックを改造されており、後部座席はない。紗央梨は、どうやって、後二人が乗れるんだろうと不思... 続きを読む

前シーンと比べて少し短めですが、シーン5を追加更新しました。 この次シーンの公開は、少し間があくと思います。できるだけ、まとめ上げます。 こちらでも公開中。 小説家になろう : http://ncode.syosetu.com/n9414dn/ カクヨム : https://kakuyomu.jp/works/1177354054881634718 ... 続きを読む

「ぷはー!」 美紀は、しあわせそうに、水がたっぷり入った五〇〇ミリリットルのペットボトルをぐいぐいと飲み上げていた。その口元から少しほどこぼれ落ち、彼女の顎から首元をたどって胸元へたどり着いていた。その反動の息をふきあげた。その飲みっぷりは、誰が見ても、非常にうまそうに見えた。 「いやー、うまいねーきったかさん!」 単なるぬるい水ではあるが、彼女はその味わい深さを噛みしめ、紗央梨に同意を求めていた。紗央梨も、同じサイズの水がはいったペットボトルの水を両手に持ち、少しずつ味わいながら飲んでいた。 「ほうじゃ... 続きを読む

遅くなりましたが、第一話シーン4をなんとか書き上げ、公開投稿いたしました。 シーン1〜3も、またさらなる加筆修正を致しました。 読みやすい、面白い小説にするために、飽くなきアップデートが延々と繰り返されていきます。 結構、大変です。 カクヨム : https://kakuyomu.jp/works/1177354054881634718 小説家になろう : http://ncode.syosetu.com/n9414dn/ ... 続きを読む

 紗央梨のミアータの後ろに止まった警察の車は、サイレンは鳴らさずにはいたが、まだ回転灯を止めることはなかった。室内の二人の男性警官はしげしげと彼女らを見ていた。二人ともサングラスを着用しており、助手席側の若い警官は、紗央梨らと目が合うと、笑顔で返してくれた。運転席側の警官は、やや年配で固めの表情であった。  紗央梨と美紀は彼らと目が合うとすぐに振り戻り、すかさず紗央梨は運転席に座り、美紀は後ろの台からおりて、助手席にちょこんと正座で座った。 「私らは何も悪いことをしていないよね?!」 美紀は少し焦った声で... 続きを読む

第一話シーン1〜シーン3までを、大きめな加筆と修正をいたしました。 前のブログ記事で述べたとおり、シーン2のBCAA(BC州自動車協会)へコンタクトをとるところも、大きな加筆と修正を行いました。 他の投稿サイト上も、同様な加筆と修正をアップデートしました。 カクヨム : https://kakuyomu.jp/works/1177354054881634718 小説家になろう : http://ncode.syosetu.com/n9414dn/ 続きの話は、今週中に投稿する予定です。もう少しお待ちく... 続きを読む

今、掲載中の『彼女たちのカナディアンロード』は、バンクーバーを舞台としています。 いきなり、大陸横断ロードトリップの途中からはじめた理由は、「紗央梨」と「美紀」のキャラクターを紹介するのに、このイベント『大草原の二人』から開始した方が適していると思ったからです。 このイベントが終わると、彼女らがカナダ生活をはじめた時に2016年2月頃に戻り、舞台はバンクーバーとなります。 ちょうどバンクーバーで起きた悲惨な事件が今ニュースで盛りあがっていますが、この事件が今後のこの物語に展開に影響するかと言えば、若干しま... 続きを読む

シーン3まで順調よくすすんでいるわがWeb小説『彼女たちのカナディアンロード』。 といいながら、いまだに第一話序盤です。 ですが、本日、一部書き直しを迫られる出来事に遭遇しました。近日中に、シーン2の一部を大幅に修正をします。 何が起きたかというと、シーン2で紗央梨がCAA(カナダ自動車協会)のロードサイドアシスタンスをリクエストするところがありますが、この辺りが、若干現実と違う面があり、もうすこし掘り下げられることがわかりました。 というのが、私が今日、CAA(正確に言うとBCAA、BC州自動車協会)の... 続きを読む

第一話シーン3、公開投稿しました。 続きも、近日中に公開予定。 カクヨム : https://kakuyomu.jp/works/1177354054881634718 小説家になろう : http://ncode.syosetu.com/n9414dn/ ... 続きを読む

 ここから、シーン1の直後にもどる。  紗央梨は、スマートフォンを取り出してみると、時は「午前11時40分」をさしていた。発信履歴をひらいてみると、『BCAA』へ発信が「10時38分」となっている。 ——あんとき、オペレーターは二時間後くらいと言ってたけ……。  紗央梨は、美紀の方を向いた。美紀は相変わらず、シートに砕けたように寄りかかって、扇子をゆっくり仰ぎながら、遠くの地平線をみていた。彼女が仰ぐ風がかすかに紗央梨の頬を伝わってくる。その小さな心地よさを感じつつ、紗央梨は少し微笑んで、答えた。 「……... 続きを読む